ピラティスでは、胴体を固定させて、手や足などのパーツを動かすトレーニングが基本です。それによって、体幹の部分を鍛えます。一般的なピラティスの基礎レッスンの内容を紹介します。
(1)コアを意識
ピラティスのレッスンは、体のコア(体幹)を感じるところから始まります。まずコアの存在、とりわけコアマッスルをしっかりと「意識」することが大切です。
コアマッスルとは、一言でいえば「骨盤、背骨、肋骨の内部や周りにある筋肉」です。具体的には、「大腰筋」「腸骨筋」「骨盤底筋群」「腹横筋」などがあります。
これらの筋肉の存在に意識を向けることで、眠っていた内側の力を発揮させやすくします。トレーニングの序盤では、深い呼吸を繰り返したり、骨盤の傾きを前後に動かしたりして、徐々にコアを目覚めさせていきます。
(2)ニュートラル・ポジションをつくる
ピラティスのレッスンは床に寝た状態で行われることが多いです。とくに初級の段階では、主にあおむけでトレーニングをします。あおむけで寝たときは、まず「ニュートラル・ポジション」をつくります。
床と背中の間にすき間
ニュートラル・ポジションとは、床と背骨がぴったりつくっつくのではなく、床との間にわずかなすき間がある状態です。手のひらの厚みの半分くらいのすき間が理想的だと言われています。横から見たときに、背中がゆるいカーブを描いています。
背骨の「S字カーブ」は人間の本来の姿であり、立った時もこの姿勢になると、体への負担が少なくなるとされます。ピラティスで様々な動作をするときも、この中立ポジションをしっかりと保つようにします。
お腹にコルセット
ニュートラル・ポジションを常にキープするためには、お腹のまわり一周を支えるインナーマッスルに力が入っている必要があります。お腹にぐるりとコルセットが巻かれたような状態を自らの筋肉でつくるのです。
スクープ状態
ニュートラル・ポジションに対して、あおむけに寝たときに骨盤から背骨全体が床にぴったりとくっついている状態を「スクープ状態」といいます。ピラティスでは、意識してスクープ状態をつくる練習もします。
スクープ状態をつくるときには、お腹を内側に引っ込めます。このときも、お腹回り一周のコルセット状態は保ったままにします。
ニュートラルとスクープを繰り返すことで、コアに対する意識が高まります。また、眠っていた骨盤まわりの筋肉を目覚めさせることができます。
(3)胸式呼吸
ピラティスでは、深く息を吸い吐きながら動作をするのが基本です。その点はヨガと共通しています。 ただし、ピラティスでは、胸式呼吸が基本になります。腹式呼吸を重視するヨガとは違いがあります。
酸素をより多く取り込む
ピラティスで肺呼吸をする理由の一つは、肺の機能を強め、新鮮な酸素をより多く取り込めるようにするためです。 肺をしっかり広げながら呼吸をする習慣がつけば、酸素が体の奥まで浸透しやすくなり、運動機能が高まります。
横隔膜を活発に
ピラティスの呼吸では横隔膜(おうかくまく)を刺激します。横隔膜とは、胸とお腹のあいだにある膜状の筋肉です。
横隔膜には、収縮によって下部胸郭を外側へ広げるという働きがあります。ピラティスで深い胸式呼吸を繰り返し行うと、この拡張機能が強化されます。その結果、より深く呼吸できる体質に変わることができます。
お腹を引き締める
胸呼吸で肋骨を広げるためには、その下にある腹横筋などのコア筋肉がしっかりと胸部を支えている必要があります。お腹がゆるんでいると、肋骨を十分に動かすことができません。空気も胸からお腹のほうに逃げていってしまいます。
ピラティスの胸呼吸を実践することで腹部のコア筋肉が刺激され、お腹を引き締める効果が得られます。
(4)体の微妙な動かし方をおぼえる
ピラティスのもう一つの基本プロセスが、体の微妙な動かし方をおぼえることです。おおざっぱに動くのでなく、きめ細かい動作をできるようにトレーニングしていきます。
背骨を一枚ずつはがす
微妙なムーブメントを身に着けるための典型的なメニューが、体育座りの状態から背骨を徐々に地面につけていく動作です。お尻のほうから背骨を一本ずつ曲げて倒していき、最後に肩甲骨、そして首、頭を床に寝かせます。
その後起き上がるときは、体を上から少しずつ持ち上げていきます。背骨を一本ずつ床からはがしていくイメージです。
ロールアップ、ロールダウン
上体を少しずつ伸ばしたり、曲げたりする動きは「ロールアップ」「ロールダウン」とも呼ばれ、立った状態でも行われます。
これを繰り返すことで、普段眠っている背骨周りやお腹の内部の細かいインナーマッスルが活性化され、よりしなやかで柔軟な動きができるようになります。
